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防ごう・感染症!~大阪・関西万博開催に向けたマスギャザリング対策~

2025年4月13日より開幕したEXPO2025 大阪・関西万博は大きな国際的イベントであり、国内外から多くの来場者が見込まれます。一定期間、限定された地域に、同じ目的で多くの人が集まるいわゆる「マスギャザリング」の状況となるこのイベントの開催期間中に注意したい感染症やその対策について、特別ゲストを交え、感染症のプロフェッショナルが解説する市民公開講座を開催しました。

ごあいさつ

吉村 洋文 大阪府知事(代理 健康医療部長)

講演1:「大阪・関西万博開催中に気を付けたい感染症」

一般社団法人日本環境感染学会 理事長
東京大学医科学研究所 特任教授 四柳 宏 先生

  • どんなイベントでもまずは準備、体調を整えて参加することが大切です。
  • 基本的に感染症は口や鼻や喉から入ってくるものです。口から入る感染症である食中毒について、夏はバイ菌やカビが増えやすくなります。料理は作り置きせずに、なるべく早く食べることが大事です。
  • 夏に流行するいわゆる「夏かぜ」については3つの代表的感染症(プール熱、手足口病、ヘルパンギーナ)があり、一般に「かぜ」といわれるものは、ウイルスなどが原因となることが多い病気です。またコロナ(COVID-19)やインフルエンザなどもウイルスが原因の病気です。
  • 病原微生物はそれぞれ大きさが違います。一番大きいのがカビで、白くなったり(白カビ)、青くなったり(青カビ)して存在がわかります。ウイルスは小さく、まず見えることはないですし、カビの様な塊を作ることもありません。
  • 人が集まるところで問題になる感染症とは、一つは接触感染です。細菌やカビが付着している食品や器具を触った手で口や鼻を触ることや、何か食べ物に細菌やカビがいて、それを食べてしまい感染するものです。また、飛沫感染や空気感染など、呼吸を通して入ってくる病原体が原因の感染症があります。
  • 麻疹(はしか)は非常に感染力が強い感染症で、典型的に全身に発疹が出ます。三日ばしかも発疹が出る感染症です。かぜと区別がつかないような症状(カタル期)があり、うつすのを防ぐためマスクは大事です。
  • ワクチンについて、特に大人は、麻疹に感染すると重症化する場合があり、ぜひ皆さんに接種いただきたいというのが感染症医としての希望です。COVID-19も必要ですが、麻疹と風疹は特に大事です。
  • 万博は半年間開催され、その間には夏場もあり、おそらく何かの感染症が出てくる時期があると思います。今何が流行っているのかを知ることも大事です。体調の悪い時には参加せず、また参加して体調が悪くなった時にはお医者さんにそのことを伝えてください。
講演2:「感染症をFUSEGUには?」

一般社団法人日本感染症学会 理事
大阪国際感染症研究センター センター長
大阪公立大学大学院 医学研究科 教授 掛屋 弘先生

  • 感染症の発症メカニズム、感染経路、感染症を防ぐためにできることをお話します。
  • 感染症は病原体が、体のある部分より侵入し体内で増殖します。これを「感染」とよびますが、その感染により引き起こされる疾患、すなわち病気を「感染症」と呼びます。
  • 感染症を防ぐためにできることの1つ目は、こまめな手洗いやアルコールの手指消毒などで手をきれいにすること。次に、人が多く集まるところや、感染症が流行っている時はマスクを着用する。感染症には必ず感染経路があり、それを特定し防ぐことが重要です。3つ目は生活習慣病の症状をコントロールすることによる健康管理が重要です。4つ目はワクチンで防げる病気をワクチンで防ごうということです。最後に、信頼できる情報を見極めて落ち着いて行動をすることが重要です。これは、ヘルスリテラシー(健康や医療に関する正しい情報を入手して、理解して活用する能力)の向上が重要です。マスク、手洗い、ワクチンなど感染症から自らを守ろうという行動が、社会全体を守ることにつながると私は考えます。
  • 肺炎を起こす原因の多くは細菌で、細菌をやっつけるお薬が抗菌薬です。ウイルス感染症(コロナ、インフルエンザなど)に効くお薬は抗ウイルス薬、カビの感染症(真菌症)の治療薬が抗真菌薬です。相手が違うと治療薬が違います。病院で処方される、もしくは薬局で購入する総合感冒薬にはウイルスを直接やっつける抗ウイルス薬は入っていません。抗菌薬がかぜに効くと間違って理解している方が多いです。インフルエンザにもかぜにもコロナにもノロウイルスにも抗菌薬は効きません。
  • COVID-19のパンデミックを経験して、感染症は個人レベルの問題にとどまらず、社会的な影響が大きいことが分かりました。大阪公立大学大阪国際感染症研究センターは、感染症を社会全体の問題と捉えて対策を行うことを目的に設立されました。大阪公立大学は総合大学であり、「総合知」によるマクロの視点で大都市大阪の感染症対策を考えていこうとしています。いよいよ明日から万博です。ますます国際化する大阪が感染症に強い都市であることを目指してみんなでやっていきたいと思います。
パネルディスカッション

四柳 宏先生、掛屋 弘先生、関本 賢太郎さん(特別ゲスト:プロ野球解説者)

テーマ❶
大阪・関西万博開催中に気を付けたい感染症について理解できましたか?
テーマ❷
感染症にかからないようにするために、日頃どのようなことに気を付けていますか?
テーマ❸
万博に行く前日に、頭痛、せき、発熱がありました。このような時にとる行動として間違っているものはどれでしょうか?
テーマ❹
病院からもらった感染症のお薬(抗菌薬、抗ウイルス薬)を飲み切る前に、感染症の症状が良くなったようです。どの対応が正しいでしょうか?

パネルディスカッションでは、各テーマについて特別ゲストの元阪神タイガース 関本さんが現役時代の実体験などを踏まえてご意見を述べられました。また会場参加型クイズとしてお越しいただいた方々に回答をいただき、四柳先生と掛屋先生からそれぞれ解説がなされたあと、ユーモアあふれる活発なディスカッションが行われ、参加者の理解も深まっていました。

共催
一般社団法人日本感染症学会 / 一般社団法人日本環境感染学会 / 塩野義製薬株式会社
後援
公益社団法人2025年日本国際博覧会協会 / 大阪府 / 大阪市

※登壇者のご所属・役職は開催当時のものです。

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